純白のドレス   3

「キラ、入るよ?」

 

「・・・・」

 

「キラ?」

 

 

 

部屋に入ると明かりもつけずに暗闇の中キラはいた。

寝てるのかとも思ったがどうも様子がおかしい。

 

 

「キラ?」

 

「ア・・ス・ラン・・」

 

 

答える声は震えていて

キラは泣いているのだとすぐにわかった。

 

 

「どうしたんだ、キラ?何があった?」

 

「なんでもないよ。」

 

「なんでもないわけがないだろ?こんなに泣いて。」

 

 

そう言うとアスランはキラの頬に手を伸ばそうとした。

 

 

「いや!」

 

 

キラはとっさにアスランを突き飛ばし、後ろに下がる。

 

 

「キラ?」

 

「あ、ご、ごめんなさい。でも僕・・・お願い一人にして?」

 

「そんなこと出来ないよ。キラを置いていくなんて出来ない。」

 

「アスラン」

 

「何があった?イザークになにかされたのか?」

 

「ううん、違うよ。僕が・・僕が悪いんだ。」

 

「キラが?何故?」

 

「僕が悪いんだ。ごめんね、アスラン。」

 

 

アスランは少しずつキラとの距離を縮めながらベッドの端にキラを追い詰めた。

 

 

「アスラン?」

 

「ねえ、キラ? お前は俺の事どう思ってる?」

 

「どうって、親友だよ?」

 

「親友?普通の友達って事?」

 

「そう・・だよ・・友達・・」

 

「本当に?」

 

「本当さ。」

 

「嘘だね。ならなんでそんなに悲しそうなのさ。」

 

「そんな事・・・」

 

「キラ・・黙って?」

 

 

そのままキラの唇にキスをおとす。

 

 

「ん・・アス・・」

 

 

何度も角度を変え、執拗にキラとのキスを繰り返し深いものにした。

唇が離れた頃にはキラの体中の力は抜け、潤んだ瞳は妖艶さを増していた。

 

 

「アスラン、何でこんな事。」

 

「お前が気づかないからだよ、キラ?」

 

「え?」

 

「俺はずっとお前を見てきた。お前しか見えない。キラが好きだから。」

 

「本当?」

 

「ああ、キラが好きだ。愛してる。」

 

「僕も・・僕もアスランが好き!でもアスランはラクスが好きなんでしょう?」

 

「そういえばディアッカ達も言ってたな。なんでそう思うんだ、キラ?」

 

「だってラクスはアスランの婚約者で、明日は結婚式だし。」

 

「あれは前にも言ったろ?親同士の決めた事で俺はなんとも思ってないって。」

 

「だって、だって」

 

「だって?」

 

「だってアスラン、僕と一緒に寝てもオデコにしかキスしてくれないじゃない。」

 

「え?」

 

 

それだけ言うとキラは恥ずかしさのあまり布団にもぐる。

 

 

「キラ・・それって・・(期待しちゃうよ?)」

 

「もう知らない!アスランの馬鹿!」

 

「馬鹿はひどいな〜こんなにキラを愛してるのに。」

 

「本当はね、僕アスランと一緒にいたかったんだ。でもアスランにはラクスがいるから僕が居てはいけないと思って・・・」

 

「キラ、馬鹿なのはお前だよ。そんなことを気にしてたなんて。」

 

「ひど〜い!!でもね僕、やっぱりアスランが好き。一緒に居たい。」

 

「俺もだよ、キラ。愛してる。ずっと二人でいよう?」

 

 

この日初めてお互いの気持ちに気づいて二人は結ばれた。

そしてアスランは夜が明けるまでキラを離そうとはしなかった。

 

夜が明けたとき二人を待っていたもの・・それは・・・

 

アスランとラクスの結婚披露宴だった。

 


作者、リズさまのコメント


このお話では唯一のシリアス系(?)
しっかしキラがおもいっきり乙女モード入ってます。
結婚式前日に新郎が浮気をしていいのでしょうか?(笑)
次回で最後です。話は冒頭に飛びます。





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連続でいただきましたこの小説も、いよいよラストv
ちゃんと結ばれたアスキラにキャー、ですが。
アスランとラクスの披露宴か…。
アスキラ、です。
最後、ラブラブだといいなぁ。