「おい、キラ。ちょっと付き合え。」
「アスラン、お話がありますの。」
時を同じくしてキラはイザークに
そしてアスランはラクスに無理やり連れて行かれた。
純白のドレス
戦争が終結してから二年が経った。
今はもうナチュラルもコーディネーターも関係ない。
所々崩壊した建物の残骸が目に付くが着々と復興は進んでいる。
なかでも特に目立つのはそれぞれの代表として活躍している
ラクス・クラインとカガリ・ユラ・アスハの存在だろう。
この二人は亡き父親の意思を継ぎ平和の為に頑張っている。
そしてその補佐的な役目をしているのがアスラン、イザーク、キラ、サイを
はじめとするかつてのAA、ザフトの主力メンバー達だ。
そしてそのメンバーの中でもっとも問題となっていることがある。
それは・・・
=アスランとキラの関係=
である。
それは何故か?
戦争中もそして戦後もアスランとキラのラブラブぶりは有名で
この二人はとっくに『恋人』という仲だと誰もが疑わなかった。
しかし・・・
「え?アスラン?もちろん好きだよ。一緒に寝てるし。」
あるときディアッカがキラにアスランの事を質問した時だ。
「一緒にって・・やっぱりお前たちって『そういう関係』な訳?」
「『そういう関係』って?」
「いや〜その〜だから『恋人』なのかって意味だよ。」
「え〜?なんで一緒に寝るだけで恋人なの?それにアスランの恋人はラクスでしょ?」
「寝るだけって他にはないのか?」
「他に?ん〜シャワー浴びてお話して眠くなるとアスランが『おやすみ』のキスを
オデコにしてくれて、お布団掛けて寝るんだけど?」
「それだけ?」
「うん、それだけ。」
そんな会話を聞いていた他のメンバーも一斉にため息を漏らす。
「「「おい、アスラン!お前男だろ!」」」
この場にいた全員の心の叫びだった。
こんなかわいいキラを前にして何で理性が持つんだ。
「なんかわかんないけど僕そろそろ行くね?」
出て行こうとするキラを今度はイザークが呼び止める。
「おい、お前はそれでいいのか?」
「なにが?」
「アスランとラクスのことだよ!」
「ああ、そういえば結婚式もうすぐだったよね。お似合いだろうな。」
「そういう問題じゃない。キラ本当にいいのか?二人が結婚しても。」
「だって僕にはどうする事も出来ないでしょ?それに・・・
それに二人は好き同士なんだから結婚するのが当たり前でしょ?」
「おい、ちょっと待て!二人が好き同士なんてどこからー」
話の途中でキラは部屋を出て行ってしまった。
「なあ、これは一体どういう事だ?」
「俺が知るか!」
「アスランがキラよりラクスの方が好きだなんて考えられない。そうだろう?」
「ああ、AAにいた時もラクスといた時間よりキラといた時間の方が長かったし
二人とも時間さえあれば一緒に行動していたもんな〜」
昔を思い出したようにサイは目を閉じる。
思えばあの頃から二人にはあてられっ放しだった。なのにどうして?
「キラが何か勘違いしているのかな?」
「それしか考えられないな。こうなったら・・・」
「そうだな、直接聞くしかないだろう。」
「ではさっそく噂の王子様アスラン・ザラのもとに行きますか。」
ディアッカ、イザーク、サイの三人はアスランの部屋に向かった。